JAPANプロジェクトのWEBサイトがオープンしました
大学院大学至善館では、ミッションの一つに、「東洋と⻄洋の橋渡し」を掲げております。その一つの取り組みとして、「JAPANプロジェクト」をスタートし、そのWEBサイトがオープンしましたのでお知らせいたします。
「JAPANプロジェクト」WEBサイト(英語のみ)はこちら。
<JAPANプロジェクトの問題意識・目的>
現在、世界と人類は大きな歴史の転換点に立っています。それは、⻄洋で二百数十年前に生まれた「近代」の政治経済システムの行き詰まりです。拡大する格差と高まる持続可能性への懸念、アフガン撤退に象徴される⺠主主義の後退、中国モデルの台頭、AI/デジタルなどのシステム化にともなう人間らしさの消滅は、混迷を極める世界を象徴しています。
私たちは、どう未来を拓けるのでしょうか。少なからざる数の識者が、日本の精神文化には、そのヒントがあると指摘します。日本の精神文化は、中国やインド、さらにはペルシャといった東洋(アジア)の文明に影響を受けたものですが、自然との調和、生命の尊重、自己と他者の非分離、精神性の探求を軸とする人間修養、といった特徴を持っています。
そこには、個人の自由、自己と他者の分離、合理性にもとづく真理の追求といった⻄洋のアプローチを(否定するのではなく)補完し、より包摂的かつ持続的な経済社会や人間関係の構築を展望する可能性があるのでしょう。
日本を美化、礼賛するわけではありません。日本の特殊性を強調するわけでもありません。日本を切り口に、⻄洋と東洋の対話を促し、未来をともに展望する、これこそが、至善館が「JAPANプロジェクト」を始動する究極の目的です。
<JAPANプロジェクト概要>
本プロジェクトは、「世界の中の日本」を捉え直し、「日本の精神文化の本質と、世界と未来にとっての意義」を議論し探求するというものです。
「JAPAN」をテーマに、懐石料理、日本酒、茶道、禅、能などの芸術、合気道などの武芸、職人の生き方、マンガ、クール・ジャパンなど、身近なもの、親しみやすいものを取り上げ、これらの分野で活躍する人たちを招き、話を聞き、対話を行います。
使用言語は英語で、HOSOOギャラリーに設けた京都の至善館分室から、オンラインで発信します。
隔月の開催のシリーズ・フォーラムを、英語で開催します。
日本の精神文化はきわめて豊潤であり、その理解には、歴史、宗教も含めた深い洞察が必要です。しかしながら、JAPANプロジェクトでは、至善館が掲げる「⻄洋と東洋の橋渡し」に焦点をあて、敢えて「深さ」を目指さず、世界の人々に、日本/アジアの精神土壌を広く知ってもらう/理解してもらう機会を提供します。日本語ではなく、英語で実施するのもこのためです。間口を広くとり、楽しみながら、スピーカー自身或いは、彼らの活動の根底に流れる日本の精神文化の本質に触れ、感じてもらえればと願っています。
想定する主なオーディエンスを、日本で働く外国人の駐在員の方々、海外で働く日本人の駐在員の方々、日本企業の海外オフィスで、日本人とともに働く外国籍の方々としています。これは、日本の精神文化は、単なる芸能にとどまらず、日本人の人生観、勤労観を形作り、日本の組織や経営のあり方、企業と社会の関係にも、少なからず影響を与えていると考えているためです。