Abdulraheem M. A. Alawneh
誰かを導く前に、自分を導くための学び:至善館のMBAが教えてくれたこと
Class of 2021 (Leadership Distinction)
卒業年:2021年
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現在の仕事について教えてください。
私は現在、日本の美容・化粧品会社のR&D戦略部に勤務しています。業界を取り巻く環境をさまざまな角度から分析し、効果的に市場競争を勝ち抜くための事業戦略を立案し、戦略を実現するための製品・サービスをデザインしています。そして、戦略の実現に必要な技術や能力、プロジェクト、また、将来の事業機会につながる新しい扉を開くような技術や能力を見つけ出し、経営資源を投入しています。
以前はどんなお仕事をしていましたか?
これまで10年間はずっとエネルギー関連の仕事をしてきました。入社してからの4年間は石油製品を輸送するタンカーの運航業務に携わり、三国間輸送を中心に国内外顧客と船を繋ぐ仕事をしていました。その中でも、北南米のパートナーとのアライアンス事業立ち上げのため、ヒューストンで現地スタッフ教育や仕組み作りを経験したことは大きな刺激となりました。その後6年間、LNG船部にて中東・欧州顧客との長期貸船契約や、新規契約の営業業務を担当しました。LNG船は船価が他船種と桁違いに高く、契約やファイナンス、船の仕込みや管理など、多岐にわたる関係者との調整が必要になるビジネスで、海運の仕事の幅広さとダイナミックさを感じることができました。同時に、エネルギー業界に押し寄せる脱炭素の波も身を持って感じることができ、そこで得た問題意識や危機感が現在の仕事につながっています。
以前はどのようなお仕事をされていたのですか?
製薬、バイオテクノロジー、美容、ホスピタリティ、教育業界などで働いてきました。プロの総合格闘技に挑戦したり、モデルとしてのキャリアにひどく失敗したこともあります。どの仕事も、その業界について、あるいは自分自身について、何か新しいことを学ぶきっかけになりました。
至善館での経験をどのように振り返り、ご自身のキャリアにどのような影響を与えましたか?
目を見開かされるような経験でした。カリキュラムはとてもよく考えてデザインされており、また、一般的にはあまり公に議論されることがない(あるいは、同じような考えや行動をとる人たちのグループの中でしか議論されることがない)様々な議題について議論する機会がありました。多様な意見に耳を傾け、さまざまなトピックについて議論することで、より広い視野を持ち、自分自身や他人のバイアスに気づくことができるようになりました。
至善館のカリキュラムの中で、具体的にどのような点が最も実践的だと感じましたか?
最終ゼミ発表に向けてつくりあげた個人プロジェクト*は、2年間の集大成になりました。
2年間で得た知識を組み合わせ、実践的なプランに落とし込んでいかなければなかったので、戦略・事業計画・経営政策・デジタルトランスフォーメーション、その他多くの授業での学びを振り返り、包括的なプランを考えるのに苦労したのを覚えています。
現在、私は戦略部門に所属しているので、個人プロジェクトからアイディアを膨らませ、時間をかけてゆっくりと実行しようとしています。自分が思い描いた方向性は正しいと確信しているので、これからも推し進めていきたいと思っています。
*至善館ではMBA2年生が始まると、学生は5〜6名のゼミに分けられる。8ヶ月間のゼミ活動を通して、経営リーダーとして、今後どのような挑戦に取り組むのかについて、個人プロジェクトを構想し、プレゼンテーションとレポートを作成し卒業する。
あなたのリーダーシップの旅の次のステップについての展望は?
リーダーシップとは、自分自身や身近な人を導くことから始まり、自分を取り巻く社会や環境を導く、日常的な行為です。以前、私はリーダーになりたいと思っていましたが、卒業後、リーダーシップは重責だということに気づきました。そこで、人を導く前に、自分自身を導き、自分の進むべき道が正しいかどうかを確認することにしました。
至善館に応募しようとしている将来の仲間へメッセージをお願いします。
至善館に関わる人たちは、みんな何かを教えてくれるので、その機会を逃さないでください。そして、一生の友人をつくってください。
至善館で学ぶテーマはどれも深く多様なので、学んだことを最大限効果的に身につけるためには、常に自分で積極的に深く掘り下げていく努力が必要です。