変革と創造に挑む
全人格経営リーダーを輩出する

至善館の経営修士プログラムが目指すのは、大きな変化の時を迎えている現代の社会において、変革と創造を牽引し、未来に向け新たな価値を作り出す次世代の経営リーダーを育成する、新たなリーダーシップ教育のパラダイムを作り出していくことです。

これからの経営リーダーには、経営スキルを備えていることだけではなく、社会や人間の本質に対する深い理解と、未来に対する洞察、さらには、自身のリーダーシップの原点に対する自己認識を兼ね備えていることが必要だ、と至善館では考えます。こうした「全人格経営リーダー」を育成することを目指し、独自のプログラムを構築しています。

1 経営プロフェッショナルとしての三つの力の開発

至善館プログラムは、これからの経営プロフェッショナルに必要な三つの思考力の開発を狙って設計されています。土台となるのは、物事を分析し検証するうえで不可欠な力であり、時代や文化を超えて経営プロフェッショナルに求められる「定量的分析手法、論理的・戦略的思考」です。次に、人や社会の潜在ニーズ・ウォンツを起点にしながら、事業や地域社会のあるべき姿を描き出していく「構想する力」。更には、指数関数的で破壊的な科学技術イノベーションと向き合い、目の前の現実を飛び越えて創造的に未来を創造する「非連続な思考」を取り入れます。

2 経営者・起業家人材としての視点の開発

至善館のプログラムは、経営者・起業家を育成することに特化する、特定の機能領域におけるスペシャリストを育成することを目指す多くのビジネススクールとは一線を画したものであり、包括的で統合されたカリキュラムとなっています。アカウンティング、ファイナンス、マーケティング、戦略といった、企業活動の様々な側面を扱う科目においても、常に経営者・起業家の視点からの考察を重視します。さらに、経営者として経営の全体像を俯瞰的に捉える「経営政策(Business Policy)」、起業家として事業の様々な側面を統合的に作り上げる「起業家精神(Entrepreneurship)」をカリキュラムの重要な要素としておきます。

3 リーダーとしての基軸と、未来を洞察する視座を獲得するためのリベラルアーツ教育

ビジネスに関する知識やスキルは、「どうやって(How)」を問うものであり、何かを成し遂げるかのための「手段」に過ぎません。しかし、リーダーには、「何のために、誰のために、何故(Why)」を問い、何かを成し遂げる「目的」そのものを問うことが求められます。この「目的」を問う力を涵養するため、歴史、宗教、哲学、社会学、科学、芸術などのリベラルアーツを大胆にカリキュラムに組み込んでいます。それにより、歴史観・世界観・人間観・社会観を問い直し、リーダーに求められる判断・行動・選択の基軸となる価値観の確立を手助けします。また同時に、社会や経済のあり方が大きな転換を迎えている今日において、過去から現在、そして未来へと続く時代の潮流と、グローバリゼーションとイノベーションのなかでの世界や社会、そして人間存在の変容を読み解く深い洞察力を養います。

4 社会、他者と向き合い、自身を振り返るなかでの全人格リーダーシップの涵養

リーダーシップの原点は、内省を通じた自身の「生きる」目的・意義の確認にあります。自分自身との対峙を通じて、自分自身が大切にしているもの、自分自身の「心の声」を確認するために、コーチング、アセスメント、心理学を基礎とするワークショップ、経験学習等を通じて全人格リーダーシップを涵養します。

5 世界の教育機関やリーダーと連携しての、グローバル教育の実践

至善館は、新興国インド・デリーに本拠を置くSOIL(School of Inspired Leadership)、スペイン・バルセロナのIESEビジネススクール、ブラジル・サンパウロにある世界第7位のシンクタンク・FGVを中核パートナーに持ち、グローバル経営やサステナビリティ・イノベーション、リーダーシップ教育の未来の共同研究において、組織連携を行っています。また、至善館では、日本中華總商会をはじめアジアに広がる華僑ネットワークとの連携も行います。その他、至善館の教育理念に賛同する、韓国、シンガポール、バングラデシュ、ベルギー、スイス、イスラエル、アメリカ、カナダ、ブラジル等の識者やリーダーたちも有志も加わりながら、急速に進行するグローバリゼーションの中での世界の経営・リーダーシップの課題と挑戦を、掘り下げて議論する機会を提供します。

6 日本、アジアの精神土壌を土台とする、経営とリーダーシップのあり方の追求

アジアには、主客非分離の一元論、徳治による王道主義、自然との共生観など、独自の文化、精神土壌が根付いています。至善館のプログラムでは、米国型B-School教育の持つ西洋の合理的思考を基軸としながらも、東洋思想や、禅・瞑想をカリキュラムに取り入れることで、西洋とアジアの思想の橋渡しを行い、未来に求められる経営やリーダーシップのあり方を追求します。